2019.8.31
富士山信仰、鳥居で考察
仰絵図や書、写真展示
富士河口湖町船津の県立富士山世界遺産センターは、企画展「富士山大鳥居-吉田口登山道の起点」を開いている。富士吉田市上吉田の北口本宮冨士浅間神社にある富士山大鳥居などの鳥居を題材に、富士山信仰について紹介している。
富士山大鳥居は同神社の随神門前にある巨大な鳥居で、江戸時代初期から吉田口登山道の起点とされてきた。
企画展では、富士山大鳥居から富士山に向かって登山道が延びていることを示す江戸時代の絵図を掲示。明治時代に描かれた同様の絵図も並んでいて、近代以降も登山道の起点として意識されていたという。大鳥居の額の題字となった「三国第一山」の書なども展示している。
現在、吉田口登山道の起点として意識されている同神社の登山門、馬返しや山頂直下の鳥居にまつわる資料や写真を展示。富士山信仰の世界に入る境界として位置付けられ、登山者らが通った御坂峠などの鳥居についても解説している。
富士山と向かい合う同市の新倉富士浅間神社の鳥居など、噴火を鎮める願いを込めて建立された構造物の事例も紹介している。
企画展は9月23日まで。午前8時半~午後6時。
(2019年8月29日付 山梨日日新聞掲載)
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