2019.10.03

富士山登山者、上限超え6日

吉田口、3日の目標未達成

 環境省は30日、富士山の2019年の開山期間(7月1日~9月10日)の登山者数を発表した。吉田口登山道で1日当たりの登山者数が4千人を超えた日は昨年と同じ計6日あり、「3日以内」に抑えるとした富士山の保全状況報告書の目標を達成できなかった。

 同省は登山者数を8合目で計測。吉田口登山道の登山者は14万9969人で、前年比876人(0.6%)減少。15万人割れは15年以来4年ぶり。7月1日の山開きから約1週間、山頂付近で崩れた石積みを復旧する工事で登頂できず、梅雨明けの遅れなどが影響したという。

 吉田口で登山者が4千人を超えたのは8月3、10~12、17日と9月7日の計6日で、5033~4008人。県世界遺産富士山課の担当者は「復旧工事や長梅雨の影響で、8月に登山者が集中した可能性がある」と説明した。

 7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会が承認した富士山の保全状況報告書では、登山道で著しい混雑が発生する1日当たりの人数の目安を吉田口で4千人と設定。19年に3日以下とする目標を掲げていた。

 県は今夏、登山者で混雑する富士山頂付近を撮影した動画を作成して混雑緩和をPRしたほか、混雑日の予測カレンダーの配布先を拡大したが、目標を達成できなかった。

 一方、県は9月30日、富士山の保全協力金(入山料)を支払った人の割合(協力率)が今夏は67.2%だったと発表した。前年から8.6ポイント上昇。本格的に制度が導入された14年に次ぐ高さだった。

(2019年10月1日付 山梨日日新聞掲載)

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