2019.10.05

富士登山者、周遊は限定的

観光なら広域巡るが… 県研究員、訪問者の行動調査

富士北麓地域を訪れる観光客の周遊行動について調査した藤野正也研究員=富士吉田・県富士山科学研究所

富士北麓地域を訪れる観光客の周遊行動について調査した藤野正也研究員=富士吉田・県富士山科学研究所

 富士吉田・県富士山科学研究所の藤野正也研究員(42)=環境共生科=は、富士北麓地域を訪れる観光客を対象に、周遊行動についてアンケートした。世界遺産などを目的にした観光客は複数の都市を周遊する傾向がある一方、富士登山客は周遊が限られる-との結果が出た。

 藤野さんは昨年8月3~5日、富士山吉田口登山道の泉ケ滝、スバルライン5合目広場、富士急行線河口湖駅、道の駅なるさわでアンケートを実施。旅行日数や目的、同行者、訪問場所、移動手段などを尋ねた。1925人に調査票を手渡し、657人が質問項目すべてに答えた。

 結果によると、1都市のみを訪れた観光客は37%で、63%が2都市以上を訪問していた。具体的には富士河口湖町が59%でトップ。富士吉田市(53%)、鳴沢村(52%)が続いた。旅行日数は2日(45%)が最多で、同行者は家族(49%)が最も多かった。

 旅行の目的は富士登山(29%)や家族親睦(23%)、自然観光(23%)が多かった。世界遺産を目的とした観光客は7%にとどまったが、世界遺産や名所旧跡、自然観光などを目的にした観光客は訪問する都市が多くなる傾向が出たといい、藤野さんは「世界文化遺産の構成資産であることが分かりにくい施設も多い。もっとPRすることが必要ではないか」と指摘している。

 一方、富士登山や御来光を目的にした人は訪問する都市数が少なく、「登山前は体力を温存しており、下山後は疲れているため観光に行かないのだろう」(藤野さん)と分析した。

 移動手段はツアーバスやマイカーが多かった。同地域はゴールデンウイークやお盆の時期などは渋滞が発生する。藤野さんは「今後は渋滞の解消が観光客数や周遊に与える影響についても研究し、より良い観光地になるための提言をしていきたい」と話している。

(2019年10月3日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別