2019.10.25

富士山やっと冬支度

初冠雪、平年より22日遅く

初冠雪が観測された富士山=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から

初冠雪が観測された富士山=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から

 甲府地方気象台は22日、富士山が初冠雪したと発表した。平年より22日遅く、昨年より26日遅かった。気象庁は平年より遅かった理由について、9月と10月の山頂の平均気温が高かったことなどを挙げている。

 同日午後1時ごろ、甲府市飯田4丁目の気象台から、富士山頂とその周辺が雪で覆われているのを職員が目視で確認。身延町中之倉の本栖湖畔では、白くなった山容を望むことができた。

 気象台によると、20、21の両日の富士山頂は氷点下を記録。22日午前1時には氷点下3.3度まで下がった。台風から変わった低気圧の影響で、21日夜から雨が降り、標高が高い場所では雪になったとみられる。

 気象台は山頂の平均気温が最も高い日以降で、初めて雪や氷で白く見えたときを「初冠雪」としている。1981~2010年の初冠雪日を基に、9月30日を平年と設定している。

 1894年の観測開始以降、最も遅い初冠雪は1956年と2016年の10月26日。今年は1998年と並び、3番目に遅かった。気象庁予報課は要因について「断定はできないが、山頂付近が高い気温で推移したことが影響したとみられる」と説明。山頂の平均気温は、9月が5.13度で平年より1.97度高く、10月も1.22度と平年を2.88度上回っている。

 一方、富士吉田市も毎年独自に富士山の冠雪を観測した日に「初雪化粧」を宣言しているが、22日の市内は雲に覆われていたため発表は見送った。

(2019年10月23日付 山梨日日新聞掲載)

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