西湖、大雨で水位上昇
台風19号などによる大雨の影響で富士河口湖町の西湖の水位が上昇し、湖畔のキャンプ場でテントを張るスペースが浸水し、営業に打撃を受けている。台風通過後の12日から河口湖へ放水を続けているが、周辺から西湖に流れ込む水量が多いとみられ、水位の正常化には時間を要する見通しという。
県治水課によると、9月末に基準水位からプラス0.64メートルだった西湖の水位は、26日午後7時現在で2.84メートルに上昇。過去5年間の10月の平均水位と比べると、1.65メートル高い。富士五湖では精進湖は1.5メートル高いが、河口湖、山中湖、本栖湖は平年並み。
甲府地方気象台によると、台風19号が接近した11、12両日の河口湖の降水量は337ミリ。その後も温帯低気圧の接近などで大雨が降り、10月の雨量は614.5ミリ(25日時点)で、平年の10月1カ月の雨量(176.9ミリ)の約3.5倍に上る。
県治水課は「台風による大雨で水位が上昇した」との見方を示す。西湖の湖畔で営業するキャンプ場経営者は「12日の台風通過後から水位が上昇した」と証言する。
県は西湖の水門を管理する東京電力に依頼し、12日から毎秒2トンのペースで河口湖に放水。ただ、これまでの雨を蓄えた周囲の山から水が湖に流れ込んでいるといい、県治水課の担当者は「現状では水位が平常に戻る時期を示すのは難しい」と説明する。
富士河口湖町西湖の湖畔キャンプ場では12日以降、湖畔が水没し、テントを張るスペースが8割ほど減少。西湖自由キャンプ場でも浜が水につかり、通常の半分ほどしかテントを張ることができず、キャンプ客の利用を断るケースも出ている。
(2019年10月27日付 山梨日日新聞掲載)