2019.12.01

魅力ある観光戦略確立を

県などが企画した講演会で講演するデービッド・アトキンソンさん=甲府・県防災新館

富士山登山鉄道構想検討会理事 D・アトキンソンさんに聞く

 小西美術工藝社(東京)の社長で、京都国際観光大使や、県が設置した富士山登山鉄道構想検討会の理事を務めるデービッド・アトキンソンさん(54)が山梨日日新聞のインタビューに応じ、山梨の観光の展望を語った。観光戦略の確立が重要と指摘した。一問一答は次の通り。

 -県内観光が発展するために必要なことは。
 「観光で一番のポイントは県として、経済貢献や雇用などをどうしたいのか決めることだ。そうすればどれだけの人数を、どこの国から誘致すればいいのか、自動的に(答えが)出てくる。観光戦略という基軸を作り、どう実現するか考えることが大切だ」

 -県内観光は富士・北麓地域に集中している。
 「厳しく言えば、山梨の観光戦略がないということ。観光客はあるものを見に来て帰り、そこの周りにあるものなどに魅力を感じなかった。富士山が素晴らしく整備されている(から来た)というわけではないと思う。観光戦略が認識されていない。周遊ルートを作っても、魅力がなければ(観光客は)使わない。『不便でも行きたい』と思える場所を作ることが重要だ」

 -日本を訪れる外国人観光客はさらに増えるのか。
 「ある意味、山梨県次第だ。(富士山が)あるからというだけで見に来たのでは、観光戦略になっていない。一回見たら二度と来ないとなるかどうかは、観光戦略で決まる。魅力を整備しない限りは良くて横ばいだ」

 -2020年には東京五輪・パラリンピックがある。五輪による観光分野の効果をどう考えるか。
 「五輪で来日するのはスポーツが好きな人が中心だ。それを狙うというのは違うと私は考える。観光とは地道な作業。一発勝負ではない」

(2019年11月29日付 山梨日日新聞掲載)

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