2020.1.06

郡内織物着こなそう

郡内織物の魅力について語り合う小林佑輔さん(左から2人目)ら=富士吉田市下吉田3丁目

郡内織物の魅力について語り合う小林佑輔さん(左から2人目)ら=富士吉田市下吉田3丁目

 富士北麓地域の紳士服店や織物業者が、地場産品の郡内織物をファッションに取り入れた着こなしを「Fujiyama Dandyism(フーディーズ)」と称し、県内外にアピールする取り組みを進めている。PR用のポスターを作成し、イベントや会員制交流サイト(SNS)で発信。郡内織物は全国的な知名度向上が課題といい、関係者は「郡内織物でファッションを楽しむ文化を定着させ、多くの人に関心を持ってもらいたい」と話している。

 富士吉田市下吉田4丁目のオーダーメードスーツを扱う「ジョーカーズテーラー」。ショーウインドーに貼られたポスターを通行人が眺めていた。ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」のジャケットを模し、富士山を背景にスーツ姿の男性4人が横断歩道を渡る写真。店長の小林佑輔さん(32)が「かっこよくないですか」と声を掛けた。

 小林さんは2017年11月、働いていたジョーカーズテーラー本店(甲斐市中下条)から独立し、富士吉田店を開店。海外製や国産の生地を使ったオーダーメードスーツのほか、富士北麓地域の織物業者が織った生地を使用したスーツやネクタイなどを手掛けている。

 先染めした糸を高密度で織り上げる郡内織物は「肌触りや質感が良く、デザイン性の高い素材」(小林さん)。一方で、小林さんは「イベントでブースを出しても県外から訪れた観光客で認知している人は少なく感じる」と話す。

 郡内織物の知名度向上を図るため、小林さんは「おしゃれを楽しむ感覚が必要」と考えた。そこで昨年春からスーツの表地や裏地、ネクタイ、傘などで郡内織物が使用されたアイテムを身につけた人々を「富士山麓にいるかっこいい男性」を意味する英語をもとに、「フーディーズ」と呼び始めたという。

 ユニークな取り組みに、取引のある市内の織物業者らが共感。共同でPR用の写真を撮影し、ポスターやチラシ、ポストカードを作成した。イベントで配布したり、SNSで情報発信したりして浸透を図っている。

 ポスターの撮影に協力した織物業「Watanabe Textile(ワタナベ テキスタイル)」の渡辺竜康さん(43)は、「これまでとは違う情報発信の仕方。『フーディーズ』という呼び方が浸透すれば、郡内織物に興味を持ってくれる人が増えるのではないか」と期待を込める。

 「郡内織物を扱うテーラーの立場から、その魅力を伝えていきたい」と小林さん。「織物を使って着飾り、おしゃれを楽しむ。フーディーズを一つの文化として定着させたい」と話している。

(2020年1月4日付 山梨日日新聞掲載)

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