2020.1.10
樹勢回復費、目標の5倍に
富士吉田・忠霊塔の桜に7千万円
富士山と五重塔(忠霊塔)、桜を見ることができる人気スポットとして知られる富士吉田市の新倉山浅間公園で、ソメイヨシノの樹勢が衰えている問題で、市がインターネット上で募っていた桜を守るための作業資金が7759万円に上ったことが市のまとめで分かった。当初目標(1500万円)の5倍以上だった。
650本以上の桜がある公園には、写真撮影をしようと外国人観光客を中心に多くの人が訪れている。しかし、木の大部分は植樹から半世紀以上が経過し樹勢が衰えている。市は2018年から、公益財団法人日本花の会(東京)の協力を受け、樹勢回復に向けた取り組みを進めている。
市は昨年10月4日から12月末まで、ふるさと納税制度も活用して資金を募った。11月中旬に目標の1500万円に到達すると、その後も寄付は増え続け、7759万8千円が集まった。寄付者は2582人に上った。
市ふるさと納税推進室の担当者は「予想以上の寄付額で驚いている。多くの人に知られる景色が対象だったことに加え、ふるさと納税の制度が周知されてきたことも背景にあるのではないか」と話している。
市道路公園課によると、樹勢回復に向けた取り組みは5年計画で、市は本年度予算に作業予算200万円を計上している。市は集まった資金を桜の保護事業に充てる予定で、今後は木の植え替えや土壌改良などを進める。
(2020年1月8日付 山梨日日新聞掲載)
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