2020.1.12

暖冬、イベント中止危機も

「西湖樹氷まつり」の会場で解けてしまった製作途中の氷のオブジェ。骨組みが見える状態になっている=富士河口湖町西湖

「西湖樹氷まつり」の会場で解けてしまった製作途中の氷のオブジェ。骨組みが見える状態になっている=富士河口湖町西湖

 山梨県内は今冬、平年よりも暖かい日が多く、観光や小売業に影響が出ている。富士河口湖、山中湖の両町村で今後予定されている冬のイベントでは、暖冬で氷のオブジェが製作できなかったり、人工降雪機による広場整備を断念したりするなど、関係者がやきもき。

 甲府地方気象台によると、9日の県内は午後5時までの最高気温が甲府15.7度、南部16.2度、河口湖11.2度を観測するなど、各地で平年を6.8~5.3度上回り、3月中旬から下旬並みの陽気となった。12月の平均気温は各地で平年を2.6~1.2度、1月は8日までに平年を2.6~1.1度上回っていて、暖冬傾向となっている。

 富士河口湖町西湖の西湖野鳥の森公園で、今月25日から始まる「西湖樹氷まつり」。例年では12月末に8割ほどが完成する氷のオブジェが、今年は骨組みが丸裸の状態となっている。気温が高い日が多いため、凍らせる作業を進めることができないという。

 開幕時までに完成しない可能性もあり、西湖観光協会の三浦美信会長は「最悪の場合は中止も考えなければならない」と危機感を募らせる。公園の渡辺貞夫園長は「20年以上続いているイベントだが、ここまでの暖冬は記憶にない」と肩を落とした。

 2月1日に開幕する山中湖村の「山中湖富士山雪まつり」は例年、人工降雪機で雪を降らしたり、近隣のスケートリンクから提供された氷を使ったりして滑り台や広場を整備。しかし、今年は「気温が高く、人工降雪機を使っても十分な雪を確保できない」(同村)として使用しないことを決めた。今後、天然の雪が降らないことも想定して、しちりんを使った焼き肉や餅つきなどを企画しているという。

(2020年1月10日付 山梨日日新聞掲載)

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