2020.1.27

富士北麓、厳戒の春節

新型肺炎広がる中国から観光客続々 消毒徹底、マスクで接客

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中、春節(旧正月)に伴う中国の大型連休が始まった24日、多くの中国人観光客が訪れる富士北麓地域では、感染拡大を防ぐための動きが広がった。宿泊・観光施設は中国語などで観光客に手指のアルコール消毒を呼び掛け、自治体などは体調が悪い場合は早期に医療機関を受診するよう促すチラシを掲示。従業員の体調管理を徹底させる宿泊業者もあった。春節は多くの観光客が訪れるかき入れ時だけに、関係者からは「不安もあるが、対策を徹底して観光客を迎えたい」との声が聞かれた。

 「観光客がたくさん来てくれるのはうれしいが、感染している人がいないとは限らないので怖さもある。受け入れる側も予防を意識せざるを得ない」。忍野村の忍野八海でたこ焼きを販売している男性(34)は、マスク姿の中国人観光客を見ながらこう話し、自らもマスクを付け直した。

 県観光部によると、2019年1~10月の中国人延べ宿泊者数は74万540人で、外国人宿泊客の47.1%を占める。春節の時期は例年、多くの中国人観光客が県内を訪れており、24日も富士北麓地域の観光地では団体客らの姿が見られた。

 富士吉田市は24日、新倉山浅間公園にある市観光案内所に、感染が疑われる症状がみられた場合は速やかに医療機関を受診するよう促す県作成のチラシを掲示。手指用の消毒液も置き、使用を呼び掛けた。消毒液は今後、市内のゲストハウスにも配る。

 富士河口湖町観光連盟は消毒液を用意し、週明け以降に加盟業者に配布する。県が23日に県内市町村向けに用意した手指用の消毒液は宿泊施設が対象のため、飲食店や土産店などに独自に配ることにした。担当者は「観光が主要産業の町として、春節の中国人客は重要。観光業者が一丸となって予防に取り組む必要がある」と話した。

手すりをアルコール消毒するスタッフ=富士吉田市のハイランドリゾートホテル&スパ

手すりをアルコール消毒するスタッフ=富士吉田市のハイランドリゾートホテル&スパ

 宿泊・観光施設でも対応が進む。富士吉田市のハイランドリゾートホテル&スパは、出勤した従業員に体温測定を義務づけるなど従業員の体調管理を徹底。フロントのテーブルや階段の手すり、宿泊客がチェックアウトした客室をアルコール消毒している。

 富士河口湖町の観光施設・西湖いやしの里根場は、年間来場者約26万人のうち半数以上が訪日外国人客で、国ごとの割合では中国人がトップ。受付や総合案内所、トイレに消毒液を用意し、来場者に使用を呼び掛けている。

 スタッフに対しても手洗いやマスクの着用を呼び掛けていて、山中佳夫所長は「中国では混乱が続いているようで怖さはある。やれることをやるしかない」と話した。

(2020年1月25日付 山梨日日新聞掲載)

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