2020.2.10

富士山登山鉄道構想、学術委で異論

地元市長、慎重意見に「同感」 知事は「対話作業進める」

 山梨県が進める富士山登山鉄道構想に対し、富士山世界文化遺産学術委員会から慎重意見が相次いだことについて、富士吉田市の堀内茂市長は7日の記者会見で「同感だ。自然の脅威があることを忘れてはならない」と同調した。一方、長崎幸太郎知事は同日の会見で、「学術委の問題意識が(県と)乖離しているわけではない」と述べ、地元との協議を経て、学術委と意見交換する考えを改めて示した。

 登山鉄道構想を巡っては、6日に開かれた検討会総会で構想骨子が了承された一方で、同日の学術委では、「構想を巡る議論が拙速」として、慎重な対応を求める意見や骨子に異を唱える意見が相次いだ。

 堀内市長は7日の記者会見で、学術委で景観保全などの観点から慎重な対応を求める声が相次いだことに同調し、「地球温暖化の影響は富士山でも出ている」と語った。

 また、登山鉄道構想の協議の進め方にも言及。「(構想について)これまで県から地元に一切説明がなく、報道を通じて知る状況」とした上で、「富士山は信仰の対象、文化の源泉として世界遺産となった。景観や文化を守り抜くのが地元の使命。静岡側の自治体も含め、地元に先に話をしてほしかった」と述べた。

 一方、長崎知事は慎重意見について「学術委として(県に)適切なアドバイスをする、ということだと理解している」とした上で「(県側に)どのような問題意識があり、解決策をどう検討してきたのかなどを検討会と同じような密度で学術委に説明し意見交換したい」との考えを強調した。

 学術委は登山鉄道に関する小委員会を立ち上げる方針だが、県は骨子が了承されたことを受けて富士山の地元自治体や関係者との協議に入る。協議の順番について、長崎知事は「基本は地元との対話で骨組みに肉付けする作業が最初。その上で、学術委とコミュニケーションを取りたい」と説明した。

(2020年2月8日付 山梨日日新聞掲載)

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