2020.2.20

富士山入山料を義務化

専門委合意、観光客も徴収対象

 富士山保全協力金(入山料)制度の在り方を検討する有識者らの「富士山利用者負担専門委員会」(委員長・安田喜憲静岡県補佐官)は17日、東京都内で会合を開き、現在は登山者から任意で集める入山料を義務化することで合意した。登山者以外の観光客を含めた富士山来訪者全員を徴収の対象にすることを基本に検討を進め、2021年3月までに骨子案をまとめる。早ければ22年夏から強制徴収に切り替える見通し。

 委員8人が出席。事務局の山梨県担当者が、入山料を払わない人がいることへの不公平感の解消や噴火時の安全対策の財源確保など現行制度の課題について説明した。委員からは「不公平感の解消には義務的制度にする必要がある」「8割が義務化に賛成という登山者対象のアンケート結果もある」など強制徴収への賛意が相次ぎ、義務化することで合意した。

 現在は「5合目から先に立ち入る来訪者」とする対象について、基本的に来訪者全員に拡大することで一致した。

 意見は3月中旬に開催予定の富士山世界文化遺産協議会(遺産協)作業部会に報告する。21年3月までに徴収方法などをまとめた骨子案を策定する予定で、山梨、静岡両県は遺産協の合意を経て、導入に向けた準備作業に入る方針。入山料の義務化は早ければ22年夏になる見通し。

 吉田口登山道だけの山梨側に対し、富士宮口、須走口、御殿場口の3登山道がある静岡側は徴収コストが大きいなど、義務化には課題も多い。新制度の検討では、徴収コストの削減方法も協議する。

 入山料の義務化論議は、14年の制度本格導入時にも浮上。地元協議会が強制徴収を求めたが、専門委は富士山にはどこからでも入山が可能なことから、「公平性の担保が難しい」などとし、任意方式を採用した経緯がある。この日、委員の一人は「100パーセントの義務化制度は無理だが、これ以上はできないというものをつくる気持ちでしっかり取り組みたい」と話した。

(2020年2月18日付 山梨日日新聞掲載)

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