北麓の動物、ありのままに
外川さん(富士河口湖)定点撮影20年超
富士河口湖町船津の自然動物写真家外川英樹さん(50)は、富士北麓地域の動物を20年以上定点カメラで撮り続けている。山林の水場や獣道にセンサーを取り付けたカメラを設置し、ほぼ一年中自動で撮影。外川さんは「自然の中で暮らす動物の、ありのままの姿を見てほしい」。現在、町内で写真展を開いている。
幼少の頃から自然や動物が好きだったという外川さんは、28歳の時に大月市内の会社を退職。生まれ育った富士河口湖町に戻り本格的に写真家としての活動を始めた。富士山を中心とした風景のほか野生動物を撮影している。
定点撮影を始めた理由について「人間が近くにいると動物は警戒する。できる限り自然な姿を収めたかった」と説明する。赤外線センサーとカメラを連動させ、動物が横切ると自動的に撮影する機材を自作。町内の竜ケ岳と御坂峠、忍野・二十曲峠の山林の水場や獣道に設置し、日々撮影している。
「常に同じ場所で観察することで動物の生活を垣間見ることができ、新たな発見もある」と外川さん。写真には動物が水浴びをしたり、餌を拾ったりする日常風景のほか、暖冬の年に冬眠しなかったクマ、乾燥が続いた時に地上に降りて水を飲むムササビなども記録されているという。
河口湖フィールドセンターで開催している展示会には、2013年4月から今年2月まで竜ケ岳内の水場で撮影した写真50点を展示。子育てをするオオルリや翼を広げたフクロウ、餌のカエルを並べるイタチなどを紹介している。
外川さんは「富士北麓地域の豊かな自然と、そこにすむ動物の姿を伝えたい。写真を見た人がこの地域資源を大事にしようと考えてくれたらうれしい」と話す。
展示は24日まで。午前9時~午後5時。23日には外川さんによる有料のトークショーを開く。問い合わせはセンター、電話0555(72)4331。
(2020年2月21日付 山梨日日新聞掲載)