2020.4.02

溶岩流2時間で市街へ

富士山噴火、対策協が危険予測 火砕流、高速道寸断も

想定火口範囲図 山梨、静岡、神奈川各県などでつくる「富士山火山防災対策協議会」は3月30日、改定中の富士山噴火の被害を想定したハザードマップ(危険予測地図)の中間報告を公表した。小規模噴火の溶岩流のシミュレーションでは、従来のマップよりも10時間早い2時間程度で富士吉田市の市街地に到達するケースがあることが判明。火砕流では従来の想定よりも山梨県内での到達距離が最長で約4キロ延び、東富士五湖道路を寸断するケースがあった。

 中間報告では2019年度中にシミュレーションが終わった小規模溶岩流と火砕流の結果を公表。火口からマグマが流れ出す小規模な溶岩流については、92カ所の火口を設定した。このうち県内に影響するのは44カ所。マグマの噴出量は現行のマップ(04年策定)と同じ2千万立方メートルとし、マグマが1秒間に100立方メートルずつ、55時間噴出し続ける想定で計算した。

 地形データは前回の「200メートル四方」から「20メートル四方」に変更したため、谷や沢、道路など詳細な地形が反映された。富士吉田市の市街地に近い雁ノ穴火口付近から溶岩流が発生した場合は、2時間程度で富士吉田市立病院周辺に到達するケースがあった。従来のマップでは、到達は最速で12時間と予想されていた。

 溶岩流が冷えて固まるまでには最長で6日間かかり、山頂からの直線距離で約27キロ離れた都留市内まで到達するケースもあった。

 火砕流では過去5600年間で最大規模の「鷹丸尾火砕流」を参考に、噴出量をこれまで想定してきた240万立方メートルから、1千万立方メートルに変更。勾配30度以上の急勾配が続く35地点を設定し計算した。このうち県内に影響するのは20地点。

 火砕流は従来の想定よりも北東と南西方向に長く流れる傾向となり、到達距離は北東側の富士吉田市内で約4キロ延び、東富士五湖道路を寸断するケースもあった。

 協議会は最新の研究成果として、富士山では過去5600年間に約180回の噴火があったことを確認。うち96%は小規模か中規模だった。溶岩流が発生した噴火は全体の約6割、火砕流は1割以下であることも公表した。

 ハザードマップは20年度中の改定を目指している。大規模や中規模の溶岩流を想定したシミュレーションは、20年度末までに計算する。

(2020年3月31日付 山梨日日新聞掲載)

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