2020.5.19

富士山防災、教材提供へ

県研究所 新要領対応、現場を支援

 山梨県富士山科学研究所は、防災教育を担当する教職員を支援するため、保有する富士山防災に関する資料を教材として提供する取り組みを始める。富士山噴火に関連する動画や噴火時の避難方法などをシステム上で公開する予定で、2021年度の運用を目指す。

 新学習指導要領で防災教育が拡充されたことを受け、指導に必要となる資料を提供することにした。本年度からシステムの開発作業を始めており、研究所などが保有する噴火に伴う溶岩流や火山灰などの写真や動画のほか、避難方法を分かりやすく紹介する手順書などを掲載する予定という。

 研究所は現在、防災教育に対する教職員のニーズを把握するため、富士北麓地域の小中学校を対象にアンケートを実施しており、結果を教材に反映させる。県内全域での活用も想定し、洪水や地震、土砂災害などの情報も掲載する。

 各市町村などの防災担当者の利用も想定しており、住民を対象とした出前講座などで活用してもらう。希望者にはパスワードとIDを付与し、システムにアクセスできるようにする。21年度から段階的に公開する予定。

 新学習指導要領では東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨などの大規模な災害が頻発していることを踏まえ、防災・安全教育を充実。小中学校では特定の教科で学習するのではなく、理科や社会などで横断的に学ぶ。高校では地理歴史に新設される必修科目「地理総合」で防災を取り扱う。

 研究所はこれまで県内の学校を訪問し、富士山防災などに関する出前講座を実施してきた。久保智弘研究員は「個々の研究員が持っている防災に関する情報をまとめ、広く周知したい。防災情報は知らなければ逃げ遅れなどして命を守ることはできず、避難行動につながる教材を提供したい」と話している。

(2020年5月17日付 山梨日日新聞掲載)

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