2020.6.08

富士山5合目観光、来訪制限検討

県、スバルライン開通視野 「密」回避へ常時700~800人

 山梨県が今夏、通行止めにしている富士山5合目と麓を結ぶ富士山有料道路(富士スバルライン)の開通を見据え、新型コロナウイルス感染症予防のため5合目への来訪者を常時700~800人までに制限する方向で検討していることが5日、分かった。5合目観光が可能になった場合、来訪者の「3密」(密集、密接、密閉)の回避を図ることが狙い。来訪者はスバルラインの通行車両を制限して管理することを検討する。静岡県は5合目と麓を結ぶ3カ所の県道を秋まで通行止めにすることを決めており、山梨県がスバルラインを開通させるかどうかの判断が焦点となる。

 県はスバルラインの開通を見据え、各施設の面積などを考慮し、一定の距離を保つことができる来訪者の人数を推計。常時700~800人までに抑えれば、3密を回避できるとみている。
 スバルラインを開通させる場合の来訪者管理では、麓の料金所で車両台数を把握し、5合目の来訪者が700~800人を上回れば通行規制を掛ける方針。7~9月のマイカー規制時には、シャトルバスの運行本数を制限することも想定する。

 2018年の県観光入込客統計調査によると、富士山5合目を訪れた観光客は、7月が71万6415人、8月が73万1918人。夏場の2カ月間には140万人以上が訪れる県内屈指の観光スポットで、県関係者は「8月のピーク時は数千人規模の観光客が5合目に滞在しているのではないか」とみている。

 法令上、感染防止を理由に道路を通行止めにできず、県は道路補修を目的に4月29日にスバルラインを通行止めとした。5月29日に2週間程度通行止めを延長すると発表しており、県道路整備課は「工事が終わり次第、通行止めを解除する」としている。

 スバルラインを巡っては、富士北麓の観光団体が「観光産業に大きな打撃が出る」として、県に早期開通を求める要望書を提出。一方、地元には新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ観点から通行止めの継続を求める意見もある。

 静岡県は富士山5合目と麓を結ぶ富士スカイラインなど県道3路線について、9月10日まで通行止めにすることを決めている。今夏は吉田口登山道を含め全ての登山道で通行止めが決まっている。

(2020年6月6日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別