2020.6.14

“警戒富士”観光客来る?

スバルライン開通 業者、感染対策徹底するが… 頼みの外国人期待薄

15日から開通することになった富士スバルライン=富士河口湖船津

15日から開通することになった富士スバルライン=富士河口湖船津

 富士山5合目と麓を結ぶ富士山有料道路(富士スバルライン)が15日に開通することが決まり、関係する観光事業者は歓迎とともに、「富士山から新型コロナウイルス感染者を出すわけにはいかない」と緊張感を口にした。5合目の売店はレジ待ちの列の足元に目印を付け、バス事業者も乗車人数を半減させるなど「3密」回避を徹底する構え。富士北麓地域で集客行事の中止が相次ぐ中で“頼みの綱”の5合目観光だが、外国人観光客は見込めず、「どれだけ観光客が来るのか見当が付かない」との声もある。

 「ようやく光が見えかけてきた。富士山から感染者を出すわけにはいかない。ほかの売店とも協力し、その共通認識で取り組んでいく」。富士山5合目の売店などでつくる富士山五合目観光協会の小佐野昇一会長は開通の一報に喜びと緊張感をにじませた。

 売店は観光客の密集と密接を避けるため、入り口と出口を決め、店内を一方通行に。レジ待ちの列の足元にはシールなどを貼り、距離を確保してもらう。レジにはビニールシートを設置し、店員はフェースガードを着用。レストランでは席の間隔を空け、席を向かい合わないようにする。

 協会は先月から感染予防対策を検討し、ガイドラインを提出。県は11日、5合目の売店など6施設の休業要請を解除した。小佐野会長は「新たな時代の観光に求められる対策を模索しながら営業することになるだろう」と言う。

 5合目に向かう路線バスを運行する富士急バス(富士河口湖町)は、乗車人数を通常(約40人)の半数となる約20人に限定。換気扇を活用した外気の取り入れや手すりなどの除菌を徹底し、乗客には車内に用意した手指用の消毒液を使用するよう呼び掛ける。担当者は「利用者の協力を得て考えられる対策を行い、感染予防に努めたい」と話す。

 富士北麓地域では、富士五湖の花火大会や吉田の火祭りなど、夏場の集客が見込める行事の中止が相次いで決定。最後の“頼みの綱”だった5合目観光は、750人までという来訪者数の上限付きながらも認められた。

 5合目は例年、7~8月に140万人以上が訪れ、外国人観光客にも人気の観光スポット。協会は外国人客向けに感染防止対策を英語などで記した掲示板を設置する方針だが、今年は感染拡大防止のための入国制限が解かれる見通しは立たず、外国人客が大幅に減少する可能性がある。

 小佐野会長は「昨年までのように多くの外国人観光客は訪れないかもしれない。日本人客も含めて集客の見当を付けるのは難しい」と語った。

(2020年6月12日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別