2020.6.18

厳戒態勢、静かな出だし

富士スバルライン1ヵ月半ぶり開通

午前7時に開通した富士スバルラインで料金所を通過する車=富士河口湖町船津

午前7時に開通した富士スバルラインで料金所を通過する車=富士河口湖町船津

 15日に開通した富士山有料道路(富士スバルライン)で麓との往来が可能になった富士山5合目では、売店などで新型コロナウイルス感染防止のために、従業員がフェースガードを着用するなど対応を取った。県は5合目に一度に入場できる車の台数を250台とし、滞在時間を1時間に制限。約1カ月半ぶりの開通となったが人出は少なく、観光客・受け入れ側ともに感染に警戒感を強めつつ、静かな滑り出しとなった。

 「新型コロナウイルス感染防止対策として、現在台数規制を行っています」「体調が優れない方の通行はお断りします」。料金所手前で、ドライバー一人一人に担当者がチラシを手渡した。5合目では1時間以上の駐車を禁止することを知らせるチラシも配布した。

 各売店は入り口と出口を決め店内を一方通行にし、レジにはビニールシートを設置。店員はマスクやフェースガードを着用した。レストランは通常よりも席数を減らしていたが、食事の提供を見合わせた施設もあった。観光客にはマスクの着用や検温への協力を求めていた。

 この日は一度に5合目に入場できる台数(250台)を超える来訪はなく、5合目の人出は少なかった。県は首都圏と北海道の5都道県からの通行は控えるよう呼び掛けているが、「足立」や「多摩」などのナンバーの車も目立った。富士山五合目観光協会の小佐野昇一会長は「新型コロナの感染予防はずっと続く。感染しない、させない対策を徹底することに尽きる」と語った。

 富士吉田市の堀内茂市長は同日、市立病院や富士五湖消防本部の担当者らと各店の対策を点検。感染者が出た場合の搬送手順なども確認し、「観光客を安心して迎えることができる準備が整っていると感じた」と語った。

(2020年6月16日付 山梨日日新聞掲載)

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