2020.8.09
噴火、信仰の歴史考察
地図専門誌が富士吉田市を特集
一般財団法人日本地図センター(東京)は、10日に発行する月刊の地図専門誌「地図中心」で富士吉田市を特集している。地元の博物館学芸員らが、市の地名や地図の表記などにまつわる富士山噴火や信仰の歴史などについて寄稿している。
特集タイトルは「富士山の上に富士吉田(地形図では…)」。ふじさんミュージアム学芸員の布施光敏さんは、同市の地図には南北を逆転して富士山を上方に描いたものが数多く見られることを紹介。「地元の人は、仰ぎ見る富士山を下に書くことに違和感がある」などと解説している。
ミュージアム学芸員の篠原武さんは、市内の地名から噴火後の溶岩台地が開発対象となってきた歴史がうかがえることを説明。世界文化遺産・富士山の構成資産なども紹介している。
県富士山科学研究所富士山火山防災研究センター長の吉本充宏さんは、山肌に残る噴火の爪痕や火口、現在進んでいるハザードマップの改訂作業を報告。市文化財審議委員らは、御師の家の特徴や吉田口登山道の歴史について寄稿している。
日本地図センター相談役で山岳展望に詳しい田代博さんは、赤石岳や黒岳など同市から見える山を紹介している。
富士吉田市を特集している「地図中心」は通巻575号。日本地図センターのホームページで購入できる。
(2020年8月7日付 山梨日日新聞掲載)
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