2020.8.13

スバルライン規制1カ月、通行制限ゼロ

5合目へ観光車両まばら 前年の1割、売店「自粛広がる」

富士山5合目のロータリーを訪れる観光客。例年は混み合うシーズンだが、人影はまばらとなっている

富士山5合目のロータリーを訪れる観光客。例年は混み合うシーズンだが、人影はまばらとなっている

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために大型バスなどの台数制限を設けて実施した富士山5合目と麓を結ぶ富士山有料道路(富士スバルライン)のマイカー規制は、11日で開始から1カ月が経過した。観光バスなど通過車両は前年の10分の1程度にとどまるなど来訪者は少なく、台数制限を超えたことで入場を規制した日もゼロ。5合目の売店関係者は入国制限で外国人観光客が途絶えたことに加え、日本人客も観光自粛の意識が広がっているとして「客足が戻ってくるかどうか」と先行きへの不安を募らせる。

 8日午前11時の富士山5合目の駐車場。夏休みが始まったばかりだが、大型観光バスはゼロ。シャトルバスから下りてきた人も10人程度で、売店でも人影はまばらだった。売店「富士山みはらし」の堀内勉支配人は「客足の落ち込みは覚悟していたが、ここまで来ないとは思ってなかった」とこぼした。

 今年の富士山では、感染拡大防止の観点から吉田口登山道の山小屋全16軒が休業し、県は登山道の閉鎖を決めた。一方、5合目観光は地元要望を踏まえ、県は一度に滞在できる観光客の上限を750人に設定した上で、6月15日にスバルラインを開通した。

 スバルラインでは7月11日にマイカー規制を開始。観光客の上限を踏まえ、観光バスやシャトルバスが一度にスバルラインを通行できる上限台数を最大35台に設定した。

 県道路公社によると、7月11日から8月7日までの通過車両は1959台(1日平均70台)で、前年7月10日~8月9日の2万1852台(同705台)から大幅に減少した。10日までに入場制限はなかった。

 さらに1959台のうち、売店関係者などの許可を受けた普通車が874台で約45%を占め、観光客が利用する観光バスなどの特大車(シャトルバスは除く)は32台(1日平均1.1台)、タクシー31台(同1.1台)にとどまった。マイカーがシャトルバスを利用する際に麓で駐車する富士山パーキング(富士吉田)の駐車台数(7月11日~8月10日)は1495台(同48台)。前年同期は1万5076台(同486台)と比べて9割減となった。

 堀内支配人は入国制限で外国人観光客が訪れないことに加え、全国各地で新型コロナウイルスの感染が再拡大する状況を踏まえ、「観光を自粛する雰囲気が強まっていることが影響しているのではないか。先行きへの不安は強く、日本人観光客にどう働き掛けていくかが鍵」と話す。

 富士山五合目観光協会の小佐野昇一会長は、登山道の閉鎖情報が広がっていることから「5合目も行くことができないと思っている人もいる」と説明。新型コロナウイルス感染防止策を講じた事業者に県が「安全」のお墨付きを与える「グリーン・ゾーン認証制度」の取得などを挙げながら「全ての売店が感染症対策を徹底していることを会員制交流サイトなどで発信していきたい」と話した。

(2020年8月11日付 山梨日日新聞掲載)

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