2020.8.26

「伝統の火 絶やさない」

吉田の火祭り中止、26日に神事 大たいまつ氏子ら準備

たいまつを作る氏子ら=富士吉田市内

たいまつを作る氏子ら=富士吉田市内

 400年以上の歴史がある「吉田の火祭り」の中止を受け、26日に北口本宮冨士浅間神社(富士吉田市)で行われる神事に向けて、神社の氏子らは23日、市内でたいまつ作りをした。当日は境内に大小6本のたいまつなどを設置して火を付ける予定。氏子らは「来年は富士山のお山開きができると信じて、伝統の火をつないでいきたい」と話している。

 吉田の火祭りは日本三奇祭の一つで、毎年8月26、27の両日に行われる。富士山の夏山シーズンに終わりを告げる伝統行事で、富士吉田市上吉田地区の国道139号沿いに約90本の大たいまつを設置。例年は約20万人が訪れる。主催する神社とふじよしだ観光振興サービスは、新型コロナウイルス感染予防のため初めて中止する。

 今年は大たいまつを設置せず、「明神神輿」と富士山をかたどった「おやま神輿」の渡御もない。神事は参加者の規模を縮小して行い、参道にたいまつを飾る。高さ約3メートルの大たいまつと、高さ約2メートルの小さなたいまつがそれぞれ3本。井桁状に組み上げたたいまつも約10個設置する。

 大たいまつは例年、市内の職人も作っているが、今年は本数が少ないこともあり、神社の氏子らで作ることにした。この日は市内の作業所で、神社の氏子ら約50人が組み立てた。ヒノキの芯をアカマツのまきなどで囲み、「経木」と呼ばれるアカマツなどの薄い皮で外側を覆い、たいまつを完成させた。

 祭りの運営などを担当する世話人長老の沢口匡さん(39)は「新型コロナの収束を願いながら作業した。たいまつの火が、沈んだ人々の気持ちを明るく照らしてほしい」と話していた。

(2020年8月24日付 山梨日日新聞掲載)

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