2020.9.13

修学旅行、山梨で「ほっと」

全国の小中、コロナで都内から変更 野外体験、密避けやすく

 新型コロナウイルスの影響で客足が落ち込む山梨県内の観光地を、県外の小中学校が東京に代わる修学旅行先として選ぶ動きが広がっている。感染者数が比較的少なく、野外でのアウトドア体験や複数のペンションへの分散宿泊が可能で「3密」の状況を回避しやすいことが理由。県内観光地は外国人の入国制限でインバウンド観光が大きく落ち込み、関係者は「まとまった規模の宿泊が見込める修学旅行は、新しい観光の柱になりうる」と期待する。

 「もっと強くこいで」。10日午後、河口湖の浅瀬に並んだカヌーで歓声が響いた。福島県郡山市立小原田中の3年生113人は10日から1泊2日で来県。初日は河口湖でのカヌーや釣り、樹海探検、2日目は富士急ハイランドを訪れるという。例年は東京都内や千葉・東京ディズニーランドを訪れるが、感染拡大を受けて中止となった。

 旅行を企画した旅行会社の担当者は「野外でのアウトドア体験や複数のペンションへの分散宿泊が可能で、3密を回避しやすい」と説明。修学旅行で子どもたちが楽しみにする遊園地があることも、魅力の一つという。

 名古屋市教委によると、市内の公立中110校は例年、5~6月に東京方面に旅行するが、今年は9~11月にかけて山梨や長野、静岡を訪れるケースが増えている。10月に来県する予定の同市立中の担当者は「山梨は比較的感染が落ち着いていて安心感が高い。富士山があり、観光や自然体験ができる施設が多いことが決め手」と言う。

 山中湖村平野のペンション「シルバースプレイ」の担当者は「新規の学校の予約も2、3割ある。積極的に受け入れることでコロナ禍での売り上げ確保につなげたい」と話す。8月末から11月中旬にかけ、東海や関西地域から25校の修学旅行の予約が入ったという。

 村は村内の宿泊施設に対し、県が感染症対策にお墨付きを与える「やまなしグリーン・ゾーン(GZ)認証」の取得を推奨。必要な機器を購入する際、県の補助額に村が最大20万円を上乗せする独自の取り組みも始める。村観光産業課の担当者は「多くの施設に認証取得を促し、村を挙げて教育旅行の受け入れを後押ししたい」と話す。

(2020年9月11日付 山梨日日新聞掲載)

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