2020.9.20

日本画描いて60年

富士吉田の81歳、独学で技 友人に贈呈「生きがい」

 富士吉田市小明見1丁目の広瀬靖さん(81)は60年以上にわたり、富士山などを題材に日本画の制作に取り組んでいる。ペンキ看板を手掛けていた時代は、仕事と趣味で筆を握る「二刀流」で活躍。作品は友人にプレゼントしていて、広瀬さんは「喜んでもらえることがうれしく、生きがいとなっている」と話す。富士山作品の展示会を30日まで富士吉田・山梨中央銀行吉田支店で開いている。

 広瀬さんが日本画を始めたのは高校2年生の頃。親戚の家で、俳句に絵を添えた「俳画」の掛け軸を見たことがきっかけだった。雑誌やテレビ番組などを見ながら、独学で技術を磨いてきた。

 1987年には看板製作などを手掛ける「ヒロセ工房」(同市下吉田東4丁目)を立ち上げ、自ら筆を執りペンキで看板を手掛けた。「かつては看板は下書きをせず、文字や絵を描いていた。趣味のおかげで筆を使うことに慣れていたので、勢いよく描けた」と振り返る。

 題材は富士山が多い。自宅から見た風景や写真などを元に、山頂に雪が積もった様子や水面に映る逆さ富士、空からの富士山などを描いている。ごつごつした岩肌を丁寧に表現。朝焼けに染まる「赤富士」の作品では、赤色にさまざまな色を混ぜ合わせ複雑な色合いを生み出した。

 竹や松、梅のほか、クマタカやニシキゴイなども描く。作品は友人らにプレゼントしていて、広瀬さんは「喜んでもらえるとうれしい。また描こうという気持ちになる」と話す。

 「家族から声を掛けられても気付かないことがある」というほど集中し、4時間ほど制作に取り組む日もある。広瀬さんは「若い頃に比べると疲れるようになった。作品一つ一つにこだわりを持って制作していきたい」と話している。

 山梨中央銀行吉田支店での作品展は毎年開き、15回目。今回は富士山を描いた11点を展示している。

(2020年9月18日付 山梨日日新聞掲載)

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