2020.11.19

富士入山料、税金化検討

世界遺産協議会、法定外目的税で

 山梨、静岡両県などで構成する富士山世界文化遺産協議会の作業部会は16日、現在は登山者から任意で集めている富士山保全協力金(入山料)を、自治体が使途を定めて独自に課税する法定外目的税として徴収する方向で検討すると明らかにした。制度を巡っては入山料を支払わない登山者がいることに不公平感があるとの指摘があり、作業部会の諮問機関である専門委員会が今年2月に入山料を義務化する方針を示していた。

 同日開かれた作業部会のオンライン会議で、静岡県の担当者がこれまでの専門委の協議状況を報告。入山料の徴収について法定外目的税による徴収を検討する方針を示した。徴収の対象は「5合目から先に立ち入る人を対象とすることが望ましい」とした。出席者から異論はなかった。

 山梨県世界遺産富士山課によると、環境保全と登山の安全対策を目的に税金として徴収することを検討。県が直接徴収せず、山小屋の宿泊料などに上乗せして徴収する「特別徴収」も考えられるが、山小屋などを利用しない入山者や、登山しない観光客もいるため実現は難しく、具体的な徴収方法は今後検討する。

 入山料は現在、「富士山保全協力金」の名称で、5合目から先に立ち入る登山者らを対象に1人千円を任意で徴収している。制度が本格導入された2014年から19年の間、山梨県側の吉田口登山道の協力率は52.9~68.0%だった。

 専門委は来年3月までに徴収方法などをまとめた骨子案を策定する予定。長崎幸太郎知事は16日の会見で「(徴収の)技術的な話は協議会の議論を見守り、県庁内部でも議論したい」とした上で、「支払った人と支払っていない人が出るのは良い姿ではない。税という選択肢も検討の俎上に載ってくると思う」と話した。

(2020年11月17日付 山梨日日新聞掲載)

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