2020.12.07
2階建てバス導入、富士急
車体に北斎の富士
富士急グループのフジエクスプレス(東京、茂木一郎社長)は、グループ初となる2階建てバスを2台導入した。利用者が多い新宿と富士五湖エリアを結ぶ高速バス路線で運行する。車体には今年、生誕260周年の節目を迎えた浮世絵師・葛飾北斎が作品で描いた富士山をラッピングした。
乗客の多い路線で1台当たりの収容力を高めようと導入した。車両は全長約12メートル、幅約2.5メートル、高さ約3.8メートル。通常、運行している高速バスは42人乗りだが、1階に10席、2階に48席の計58席があり、収容人数が多いのが特徴で、車いすと乗務員用も1席ずつ備える。11月から運行を始めている。
同社によると、2階席は地上から約3メートルの高さにあり、広い窓から景色を見渡すことができる。白色を基調とした車体の両側面には葛飾北斎が「冨嶽三十六景」で描いた「甲州犬目峠」「武州玉川」の富士山の姿をラッピング。国内外の観光客に楽しんでもらえるように工夫した。
2階建てバスを運行する中央高速バス新宿-富士五湖線は、富士山周辺エリアの観光を目的とした乗客が多く、同社は重要路線に位置づけている。現在は新型コロナウイルス感染拡大で高速バスの利用は低迷しているが、感染収束後を見据えて観光需要の取り込みを図りたい考え。
同社は「快適な車内から風光明媚な路線の魅力を感じてほしい」としている。
(2020年12月5日付 山梨日日新聞掲載)
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