2021.4.18

富士と桜の新名所に

富士吉田・渡辺さん 西桂の山林整備 5年かけ600本植樹

 富士吉田市新西原の自営業渡辺茂さん(70)は、所有する西桂町の山林を整備し、桜と梅の花を観賞できる庭園「陽の森 花見園」を開園した。10年前に日本三百名山を踏破したのをきっかけに、自分の手で富士山を一望できる観光スポットをつくろうと企画。5年の歳月をかけ、約600本の桜と梅を植樹してきた。

 渡辺さんは1995年、北杜市の瑞牆山の登頂を機に日本三百名山の踏破に挑戦。2011年8月に北海道の神威岳を登頂し、長年の目標を達成した。全国各地の山を登る中で「人生の集大成に、日本一の山を眺望できる桜の名所をつくりたい」と思うようになり、所有する西桂町下暮地の山林の整備を始めた。

 雑木林の伐採や桜と梅の植樹などをほとんど1人で手掛け、今年3月11日に庭園が完成。初めての内孫の名前にちなみ、庭園を「陽の森 花見園」と名付けた。同町下暮地の戦没者慰霊碑のある高台から散策路を10分ほど登ると到着でき、富士山と計約600本のヤマザクラや梅の花などを同時に楽しめる。

 ヤマザクラなどの見頃を終える5月中旬まで開園する予定で、入園料は無料。渡辺さんは「2、3年もすれば桜が成長し、より見応えのある庭園になる。西桂町にも登山愛好家が驚くような富士山の眺望スポットがあると多くの人に知ってもらいたい」と話している。

(2021年4月16日付 山梨日日新聞掲載)

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