2022.7.17

河口湖のコブハクチョウ調査

数年後50羽超予測

 富士河口湖町の河口湖で繁殖するコブハクチョウを調査するグループは14日、調査結果の報告会を開いた。個体の移動状況や生息環境などから、「数年後には個体数が50羽を超えることが予測され、食害やふん害の懸念がある」として、対策の必要性を指摘した。

 グループによると、調査はコブハクチョウの個体状況を把握することを目的に2021年6月から開始。ハクチョウの首や足に個体識別用のリングを装着して調べた。

 調査対象の8羽(神奈川・丹沢湖生息の2羽を含む)のうち、1羽は河口湖と山中湖をたびたび移動。2羽は河口湖で9羽のひなをかえし、11月に親子で河口湖から静岡・清水港に移動。12月に河口湖に戻ったことが分かった。その後、親鳥は河口湖に生息している。また、今年4月には新たなつがいが河口湖に現れたという。

 グループによると、河口湖は天敵に見つからず、巣を作りやすい場所があり繁殖に適しているとして、数年後には個体数が50羽を超えると予測した。

 個体が増えすぎた地域では農作物や水草などの食害が深刻化しており、河口湖でもふん害や希少な植物への影響が懸念されるとした。グループのメンバーである地域自然財産研究所(都留市)の篠田授樹代表は「このまま放っておけば確実に増えていく。管理した上で増やしていくのか、増えないように対策を行うのか早急に方針を定めることが必要」との見解を示した。

(2022年7月15日付 山梨日日新聞掲載)

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