1つ前のページに戻る

2020.6.11 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 文化・芸術 /

江戸後期の絵図に富士山、御師の家

 山梨県富士吉田市のふじさんミュージアム所蔵の、江戸後期に描かれたとみられる絵図「上吉田村絵図」。富士山と富士吉田市上吉田地区を中心に詳細に描いている。

 絵図は縦113センチ、横111.5センチ。上部に富士山、下部に富士吉田市内の旧上吉田村や旧新谷村、旧松山村などが描かれている。

 旧上吉田村に金鳥居や御師の家が立ち並び、吉田口登山道が北口本宮冨士浅間神社から8合目まで続く様子などを確認できる。名前だけが伝わっていた小規模な庵の場所も記してある。富士山では標高が上がるにつれて、草原から森林へと変化する景観を表現している。

 作者は不明だが、同ミュージアムによると「道路の位置などは現在と変わらず、詳細に描かれた絵図」という。

 絵図は南アルプス市の医師が、自宅の蔵で見つけた。2015年、ふじさんミュージアムのリニューアル記念企画展などで展示されたこともあり、寄贈した。同ミュージアムは「吉田口登山道や御師の家などの歴史を考える上で貴重な資料」としている。

広告