2025.8.28

佐渡さん「第九」のタクト 富士山河口湖音楽祭 400人熱唱

世界的指揮者佐渡裕さんがタクトを振った「交響曲第9番」の演奏会=富士河口湖・河口湖ステラシアター

 ベートーベンの「交響曲第9番(合唱付き)」の演奏会が24日、富士河口湖・河口湖ステラシアターで開かれた。ステラシアターの30周年記念「富士山河口湖音楽祭2025」のフィナーレを飾るイベント。9年ぶりに同音楽祭に凱旋した世界的指揮者の佐渡裕さんが情熱的にタクトを振り、夏の富士山麓に「歓喜の歌」が響き渡った。
 新日本フィルハーモニー交響楽団と日本を代表するソリスト、栗友会合唱団、そして県内外から公募で集まったメンバーで構成する特別合唱団約400人が出演。戦後80年の今夏、戦争のない世界への願いを込め、エネルギッシュな歌声で「すべての人が兄弟になる」という第九のメッセージを伝えた。演奏が終わると、観客は総立ちで出演者に拍手を送り、しばらく鳴りやまなかった。
 ステージ横には、1824年にウィーンのケルントナートーア劇場で第九が初演された時のポスター(複写)を約6×4メートルの大きさに拡大コピーしたものが掲示され、当時の雰囲気を漂わせながらの特別なステージとなった。

(2025年8月25日付 山梨日日新聞掲載)

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