2025.9.21
火山対策事例を共有 富士山研と中南米3カ国

自国の火山対策について話す登壇者ら=富士吉田・県富士山科学研究所
富士吉田市の県富士山科学研究所などは、同所で火山対策について学ぶ国際シンポジウムを開いた。噴火事例の多いチリなど中南米3カ国の政府職員らが、自国の一元的な警戒システムなどについて解説した。
3日に開き、チリ、エクアドル、メキシコの政府職員が登壇。このうちチャイテン山(2008年)、ビジャリカ山(15年)で噴火があったチリの国家災害防止対策庁の専門員ナタリー・ベレン・カブレラ・ディアブノさんは、政府主導で地方自治体や民間と連携した災害対策を紹介した。
チリでは、国で統一的な基準を設けて避難方法や危険を知らせる標識を作っている。関係省庁と連携しながら、障害者や先住民、外国人にも分かりやすい標識にしているといい、カブレラ・ディアブノさんは「災害は決して自然現象ではない。防災は社会がどれだけ備えているかが問われる」と説明した。
日本からは京都大防災研究所の中野元太准教授が登壇し、鹿児島・桜島で実施した住民参加型の広域避難について考えるワークショップの事例を紹介。
シンポジウムはオンラインでも配信し、行政や企業関係者ら約120人が参加した。
(2025年9月18日付 山梨日日新聞掲載)
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