2023.7.06 お知らせ /

信仰心示すお札紹介 ふじさんミュージアムで企画展

お札を展示した企画展=富士吉田・ふじさんミュージアム

 富士吉田市のふじさんミュージアムは企画展「富士山のおふだの世界」を開いている。富士山の世界文化遺産登録10周年企画の第2弾で、富士山信仰の中でも中心となった神仏に関するお札を展示。担当者は「お札を通して信仰心を形として見ることができる。学ぶきっかけになれば」と話している。

 ミュージアムによると、富士山には浅間大神や阿弥陀三尊など多くの神仏が祭られ、絵像やお札は江戸時代に最盛期を迎えた富士山を信仰する富士講にとって大切な物だった。富士講を世話する麓の御師の家や登山道沿いの神社などが刷ったお札を富士講者が巡って入手して持ち帰り、掛け軸にするなどして神棚に祭った。
 企画展では、重要有形民俗文化財に指定されたものを含め、お札や版木、道具など91点を展示。富士山の神「木花開耶姫命」などの神仏、60年に1度巡ってくる庚申に作られた、サルが描かれたお札が並ぶ。修行者の開祖とされる人物のお札や安産などを願った文字のお札も展示している。
 ミュージアムの篠原武学芸員は「お参りして神仏の分身であるお札を受け取ることは、富士山登山をする上でとても大切なことだった。現在のお守りのようなもの」と説明する。「お札を通して、当時の信仰心に触れる機会としたい」と話している。
 9月25日まで。開館は午前9時半~午後5時(午後4時半まで入館可能)。火曜日休館(7~8月は無休)。観覧料は一般400円、小中高生200円。問い合わせは、ふじさんミュージアム、電話0555(24)2411。

(2023年6月29日付 山梨日日新聞掲載)

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