御師文化継承へ茶会
富士講信者たちの世話をした御師の文化について茶道を通じて発信する団体「富士北麓茶道愛好会」が発足、2022年10月、初めての茶会「御師茶会」が富士吉田市内の御師の家で開かれた。
愛好会は、北口本宮冨士浅間神社の宮司で、御師の一家・上文司家の18代目当主上文司厚さん、茶道裏千家教授で茶道文化振興会理事長を務める北見宗幸さん、富士北麓地域の活性化を考える団体「地元愛発電所」の渡辺弘之代表が設立。7月から茶会の開催に向けて本格的に活動をスタート。
茶会は富士吉田市上吉田4丁目の上文司家で行われ、午前と午後の2部で実施。茶道関係者やグラフィックデザイナー、美術館関係者ら約30人が参加。北見さんが茶会を監修し、富士山にちなんだ茶道具を紹介したり、上文司さんから御師の歴史などについて説明を受けたりしながら、真剣な表情で茶を味わっていた。
愛好会の幹事を務める渡辺さんによると、かつて市内には100軒近くの御師の屋敷が連ねていたが、現在は10軒にまで減少。伝統文化の保存や継承が危ぶまれていることから、富士講が盛んだった時代にも行われていた茶会を“復活”させることで、茶会に集う人たちに御師の文化を知ってもらおうと企画。
愛好会は今後、季節に合わせて茶会を開くほか、茶道以外の華道なども取り入れたいとしている。
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