西桂に平安期住居跡
桂川北岸の山梨県西桂町小沼にある池の頭遺跡。県道富士吉田西桂線の整備事業に伴い、2022年5月下旬から発掘調査が行われている。
同年7月までに平安時代の竪穴住居跡4軒、方形の掘立柱建物跡1棟が出土。建物の一部からは、かまどや茶わんのような食器の坏、煮炊きの道具として使用する甕が出土。坏は当時国中地方で製造された「甲斐型」にみられる特徴がある。このほか、中世に掘られたとみられる溝6本も発見。耕作地に水を引くために使用したとみられ、当時の住民の暮らしをうかがうことができる。
西桂、富士吉田両市町のエリアで平安時代の遺構が見つかるのは初めて。遺跡は静岡県東部から桂川沿いに大月を経由し、甲府方面に至る当時の幹線道路「甲斐路」周辺で、当時の人々が国中地域と交流を持ち、生活していたことが確認された。
発掘調査は同年8月末まで行われる予定。試掘調査の結果から、このほかにも複数の住居跡が存在する可能性が高いという。
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