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2020.2.21 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 文化・芸術 /

無病息災祈り大念仏

無生野の大念仏 山梨県上野原市秋山に伝わる伝統芸能「無生野の大念仏」は、踊り念仏の原型をそのまま伝える民俗芸能として貴重とされる。悲運の最期を遂げた護良親王(後醍醐天皇の皇子)と雛鶴姫を供養するため、室町時代初期に遺児の葛城綴連王が始めたものといわれる。1960年に県の無形民俗文化財に、1995年12月に国の重要無形民俗文化財にそれぞれ指定。現在も地元の保存会が継承していて、毎年、旧暦の1月16日と新暦の8月16日の2回、無生野集会所で行われる。

 会場に青竹を立てて「道場」と呼ばれる舞台ををつくり、独特の締め太鼓を据えた会場で「道場入り」「ほんぶったて」「一本太刀」「ぶっぱらい」「送り出し」など9種類の演目を執り行う。これらは舞踊の根源的な姿を残し、また修験道的な要素も見られることから、祭祀から芸能への変化の過程を表す希少な民俗芸能とされている。

 無生野大念仏保存会のメンバーが白装束に身を包み、大太鼓や鉦(しょう=鐘)が鳴り響く中、小太鼓、太刀、竹の棒を持って念仏などを唱えながら踊る。クライマックスでは病気治癒のための祈祷「ぶっぱらい」と呼ばれる儀式で、布団に寝た病人の上を演者が繰り返し飛び越え、悪霊を追い払う。

 国の文化審議会が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録を目指す国内候補に、全国各地に伝わる豊作祈願や死者供養の踊り「風流踊」を選定。「無生野の大念仏」など盆踊りや念仏踊りなどとして伝承された23都府県の37件をまとめて一つの遺産とみなし、3月末までに政府がユネスコに申請書を提出。2022年11月ごろのユネスコ政府間委員会で登録可否が審査される見通し。

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