伸びやかな山容、広い山頂
標高1138メートル、山梨県の大月市と上野原市の境にある扇山(山梨百名山)。大月市が「秀麗富嶽十二景」として紹介している山のひとつ。
姿から山の名前が付く例は多い。ギザギザの山は、のこぎりの歯を立てたようだし、鶏のとさかに似ているので鋸山や鶏冠山となる。扇山もJR中央線の鳥沢駅あたりから見ると、見事な半円形を描き由来が納得できる。山名に関しては、神話の世界の伝説も残る。
京浜方面からのJR利用者に大いに人気がある。山頂へは南面に何本もコースがある。いずれも富士山を振り返り、振り返りしての明るい登山道。逆に頂上に出た瞬間の富士山との対面を楽しみに登るなら、北面の大月市七保町浅川からがいい。登山開始から約3時間、最後の登りを終えると広い頂上に出る。背の低い草に覆われ、のびやかな山頂の向こうに、富士山が姿を現す。東へ裾を長く引き、ゆったりした感じは眺めて飽きない。
東の展望もよく、相模湖が山間に鈍く光り、陣馬山、高尾山といった東京西端の山々が幾重にも重なる。
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