2021.3.18

富士登山課税検討へ

作業部会、有識者案を承認

富士山の利用者負担などについて協議した作業部会=富士吉田合同庁舎

富士山の利用者負担などについて協議した作業部会=富士吉田合同庁舎

 山梨、静岡両県や地元関係者らでつくる富士山世界文化遺産協議会作業部会の会議が15日、富士吉田市内で開かれた。富士山の6合目から先の登山に事前予約などの条件を付け、入山料を「法定外目的税」として徴収する利用者負担制度を検討していくことを承認した。

 ウェブも含め、国や両県の富士山周辺の自治体担当者、住民代表ら約70人が出席。静岡県担当者が、有識者らでつくる「富士山利用者負担専門委員会」が入山の条件として、事前予約制や立ち入りの認定制、安全登山の事前レクチャー受講などを想定し、これらの手続きの際に手数料と合わせて税を徴収するとした検討結果を報告した。

 富士吉田市担当者から「公平性の観点から、5合目を訪れる観光客からも徴収すべきだ」との意見も出たが、有識者案を検討していくことを確認した。山梨県世界遺産富士山課の担当者は取材に対し、「5合目の観光客からの徴収も、研究課題として考えている」などと話した。

 富士山周辺で開発などが計画された際に影響を評価する「遺産影響評価」の実施マニュアル案も了承した。富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」も評価対象に含まれている。

 会議では「富士山登山鉄道構想」について、出席者から「往復運賃1万円は割高だ」との意見が出た。

 作業部会で出た意見は、本年度中に開催する富士山世界文化遺産協議会に報告される。

(2021年3月16日付 山梨日日新聞掲載)

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