2021.9.04

富士登山 過去最少に

7、8月 コロナ前比7割減

 県や富士山の地元市町村などでつくる富士山安全指導センター運営協議会は1日、富士山吉田口登山道が開山した7月1日から8月末までの2カ月間の登山者数が5万4939人で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同期と比べて約7割減少したと発表した。富士山は10日まで開山するが、センター事務局の富士吉田市によると、過去最少の登山者数になる見通し。

 登山者数は、6合目のセンターでのスタッフの目視によるカウントと6合目の山小屋前に設置した自動で通過者を記録する赤外線カウンターの合計値。今季は前回開山した19年同期の16万655人と比べ、34%にとどまった。これまで同期比で最低だったのは1993年の8万614人だった。

 市によると、梅雨開け後の8月の週末や盆期間の不安定な気候、感染拡大で全国的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発令されたことが登山者減少に影響。麓と5合目を結ぶ富士山有料道路(富士スバルライン)がコロナ禍で例年の24時間営業から午前3時~午後6時までの時短営業となったことも減少の要因に挙げている。

 今季、最も登山者数が多かったのは8月28日の3389人だった。3千人を超えたのはこの日だけだったという。市担当者は「コロナだけでなく、本来登山者が集中する8月の週末を中心に天候が悪くなったことが大きく響いた」と話している。

(2021年9月2日付 山梨日日新聞掲載)

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