山梨の縄文世界 静岡で公開

土器や土偶、石器９１点展示

　山梨県内で出土した縄文時代の文化財を展示する「やまなしの縄文世界」が、静岡県富士山世界遺産センター（富士宮市）で開かれている。山梨・静岡両県が主催する「バイ・ふじのくに文化財交流事業」の一環。豊かで華やかな特徴を持つ縄文時代中期の遺物を中心に紹介している。

　静岡開催となった本展では、装飾豊かな縄文土器や土偶、翡翠の大珠、中部高地で産出される黒曜石や水晶を用いた石器など９１点を出展する。

　このうち山梨県指定文化財は、甲州・安道寺遺跡出土の有孔鍔付土器など３点を出展。北杜・海道前Ｃ遺跡出土の人面装飾付深鉢形土器と石棒は同じ土坑から出土したもので、出産にまつわる儀礼に使われたと考えられている。

　展示を担当した山梨県立考古博物館の柴田亮平学芸員は「コロナ禍で両県の行き来を自粛している状況だが、コロナ後の観光や文化財の交流につながれば」と話している。

　企画展は２０日まで。

(2021年9月9日付 山梨日日新聞掲載)