2021.12.29

富士登山競走3連覇の実力発揮

吉住さん 世界大会V

 富士吉田市在住のマウンテンランナー・吉住友里さん(35)が、今年6~10月に欧州で初開催された世界大会「バーティカルキロメーター(VK)オープンチャンピオンシップス」(国際スカイランニング連盟主催)の女性部門で優勝した。VKは山などの傾斜地を駆け上るスカイランニングの一種。2019年に同市に移住した吉住さんは、富士山で鍛えた走力で勝利をつかんだ。

 大会は欧州各地で期間中に計9回開催されるレースに出場し、順位に応じて付与されるポイントが高い3戦分の合計を競うシリーズ戦。吉住さんはポルトガルとイタリアで開催された4戦に出場した。10月下旬にイタリアで開かれた全員参加の最終戦では、標高差約千メートルのコースを5位で駆け抜け、他2戦を含めた総合得点は302ポイント。2位と2ポイント差で優勝を果たした。

 吉住さんは大阪府出身。大学卒業後、舗装されていない道を走るトレイルランニングを始め、18年にプロに転向した。標高差千メートルを距離5キロ以内で駆け上るVKを得意種目とし、2年連続でアジアチャンピオンに輝き、富士山頂までを走る富士登山競走も17年から3連覇した。

 16年に初出場した富士登山競走で5合目までを走るカテゴリーで優勝した際、「ここまで鍛えられるコースはない」と富士山に魅了された。登り主体の登山道と砂地や岩場などバラエティーに富んだコースはVKランナーにとって最適な環境という。

 現在は富士山は積雪のため、周辺の杓子山や三ツ峠山などでトレーニングを重ねる。来年はより強豪が集まるトレイルマウンテンランニング世界選手権などに挑む予定だ。吉住さんは「お世話になった人や富士山が応援してくれていると感じながら走った」と振り返り、「日本では山岳競技がまだ一般市民に知られていない。自分が活躍して国内に広めていきたい」と話す。

(2021年12月27日付 山梨日日新聞掲載)

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