2022.8.12

富士山噴火を想定 初の徒歩避難訓練

 富士吉田市は9月4日、富士山噴火を想定した住民の徒歩避難訓練を初実施する。山梨、静岡、神奈川3県などでつくる富士山火山防災対策協議会が3月に示した「一般住民は原則徒歩避難」という中間報告を踏まえた対応。富士河口湖町も8月28日に噴火を想定した訓練を初めて行う。

 富士吉田市によると、富士山から流れ出た溶岩流が市内に流れ込んだとの想定で実施。対象は市内全域で、小中学校など市内の指定避難所15カ所を使う。住民らは最寄りの避難所ではなく、居住地域に溶岩流が到達した場合に身を守れる避難所まで歩いて避難する。各地区ごとに避難場所は異なる。

 溶岩流からの避難については、渋滞発生による逃げ遅れを防ぐため「一般住民は原則、近くに徒歩で避難する」との方針が示されていて、市は「徒歩避難」の意識付けを図るために企画した。

 一方、富士河口湖町は富士山噴火ハザードマップが改訂されたことを踏まえて訓練を初実施する。富士山有料道路(富士スバルライン)2合目付近と大室山付近の2カ所で突発的な噴火が発生したことを想定して行う。

 町は溶岩流や火山灰による土砂災害の恐れがある地域に避難指示を出す手順を確認。避難所では避難者が避難者カードに氏名や住所などを記載し、備蓄食料を受け取る流れを確かめる。

 富士山噴火を巡っては県が毎年、富士北麓地域と連携して避難実動訓練も行っていて、今年は12月に予定している。

(2022年8月10日付 山梨日日新聞掲載)

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