2023.12.13

ヤートコ踊り伝統つなぐ 富士河口湖・林地区 4年ぶりに披露

林ヤートコ踊りを披露する保存会のメンバー=富士河口湖・勝山ふれあいセンター

 富士河口湖町小立の林地区に江戸時代から伝わり、町の無形民俗文化財に指定されている「林ヤートコ踊り」が4年ぶりに披露された。新型コロナウイルスの影響で発表の機会がなかったが、地元保存会が2年前に練習を再開。古屋和彦会長は「次代につなぐためコロナ禍でも練習してきた。発表できて良かった」と話している。

 保存会によると、林ヤートコは地区の寺で行われていた芝居の幕あいや結婚式、宴会などで披露されてきた「おめでたい踊り」(古屋会長)。起源は伊勢神宮の参拝者に流行した「伊勢音頭」とされる。
 ヤートコには歌があり、1番の歌詞は伊勢音頭で、2~5番は富士山や河口湖など地区の風景を歌っている。男女ともに着物を着て、「差し手」「引き手」などを繰り返して踊る。
 江戸時代末期からの歴史があるが、一時は踊れる人が数人にまで減ったという。伝統の踊りを絶やさないため、1981年に地区の有志が保存会を結成。月に1~2回、公民館などで練習してきた。
 近年は地域のイベントや老人福祉施設の慰問など年数回発表してきたが、2020年以降は新型コロナの影響で発表できずにいた。翌年には練習だけ再開し、発表の機会をうかがっていた。

(2023年12月6日付 山梨日日新聞掲載)

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