2025.5.17

【ずらっと山梨 鳴沢村】てくてく再発見

■景色、特産品、温泉を堪能

 富士山の麓に位置する人口約3千人の鳴沢村。面積約90平方キロのうち約85%が山林で、豊かな自然にあふれている。スキーやゴルフなどが楽しめるほか、国天然記念物「鳴沢氷穴」などの観光スポットが有名だ。村内を歩いてみると、アクティビティーや特産品を使ったスイーツなど、新たな魅力に出合えた。
 まずは村の絶景スポットの一つ「紅葉台(富士八景)」((1))へ。麓から5分ほど山を登るとたどりつく。よく晴れた日。太陽の光で新緑の木々が輝き、合間から雄大な富士山がのぞく。葉の色づきは季節ごとに変わり、四季折々の表情を楽しめそうだ。
 景色を堪能し、来た道を戻ると、乗馬体験ができる紅葉台木曽馬牧場((2))が見えてきた。「和種馬」と呼ばれる日本の在来馬約20頭が管理されており、料金は30分コースで7千円。敷地内で簡単な説明を受けた後、牧場の外で散歩をスタートした。記者は乗馬が初心者なため、「性格がおとなしめで、マイペースに歩いてくれる馬」にまたがった。なかなかできない体験に心が躍る。乗馬中は常に太ももに力が入り、普段は使わない筋肉が鍛えられた。牧場では馬に乗りながら弓矢を放つ伝統文化「流鏑馬」も1日コースで体験できるという。
 お昼どき。空腹を満たせる場所を探すため、辺りを見回すと、牧場のすぐ隣に「紅葉台ドライブイン」の看板を見つけた。店の人から名物はほうとう(950円)((3))と聞き、早速注文。大きな鍋にキノコ、白菜、ニンジンなど、県産野菜がふんだんに入っている。麺はもちもち。スープは最後まで飲み干せるほど、優しい味わいだった。
 おなかが満たされた後は、富士山側の国道139号に出て、道の駅なるさわ((4))を目指す。30分ほど歩いて到着。特産品のブルーベリーを使った焼き菓子「あまずっパイ」がのった「あまずっパイアラモード」(500円)をいただく。焼いた温かいパイと、ソフトクリームの冷たさが一体となった味で、疲れた体に染み渡る。売店では、あまずっパイやブルーベリージャムなどが購入可能。お土産にも最適だ。
 締めくくりは、道の駅なるさわから南へ徒歩4分ほどの「富士眺望の湯 ゆらり」((5))。洞窟風呂など、変わり種の温泉もある。中でも霊峰露天風呂は富士山を眺めながらゆったりとくつろぐことができ、目も心も体も癒やされた。
 レジャーから特産品、温泉と、魅力たっぷりの村。てくてく歩けば、まだまだ新たな発見があるかもしれない。村の潜在力を再認識した1日だった。

(2025年5月16日付 山梨日日新聞掲載)

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