2025.6.18

5合目、新ゲート完成 レンジャー、登山指導演習

5合目に完成した常設ゲート=富士山5合目

予行演習で軽装の登山者役に登山指導をする富士山レンジャー(右)=富士山5合目

 山梨県は13日、入山規制のために富士山吉田口登山道の5合目に整備していた常設ゲートを完成させ、メディアに公開した。新たなゲートは鳥居や関所を想起させる意匠で、信仰の山としてのイメージを出した。同日は7月の開山に向け、受付窓口業務や、今夏から権限が強化された「富士山レンジャー」による軽装登山者への指導の予行演習も実施した。

 ゲートは幅8メートル、高さ約2・3メートル(門柱部分は約3・5メートル)。木製の合板だった昨夏の仮設ゲートから、耐久性のある鉄骨製になった。2024年10月に整備を始め、今月9日に完成。整備費は約1500万円で、24年度の通行料を財源に充てた。配色は景観に配慮し、茶色を基調にした。鳥居や関所を模して神聖な場所への入り口という雰囲気を出したという。
 予行演習では、窓口で事前予約と当日受け付けの2パターンを練習。窓口では、登山する人数や宿泊か日帰りの確認をした後、安全対策のために今夏から導入した装備や登山の心得を示した誓約事項にチェックを求めた。
 軽装登山者への対応では、サンダルや雨具などの準備が不十分な登山者を想定し、今夏から指導権限を強めたレンジャーらが「上下分かれた防水性の雨具を用意して」と注意した。登山者役が「大丈夫だ」と強引に進もうとしても「命が一番大事」と5合目売店で装備を購入するよう促し、引き留めた。
 県は、これまで課題だった軽装登山者への対応強化で、昨夏は会計年度任用職員だった富士山レンジャーを任期付きの正規職員として採用。場合によっては入山を断るなど従来より強い権限を付与した。

(2025年6月14日付 山梨日日新聞掲載)

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