2025.8.10
信仰文化学生に伝える 富士吉田の法人都留文大と連携 御師や麓の登山道紹介

北口本宮冨士浅間神社内を学生らに案内する勝俣俊二さん(左)=富士吉田市上吉田
富士吉田市を拠点に富士山信仰の文化継承に取り組む一般社団法人「カノエサル」は、学生向けに信仰の対象としての富士山について伝えるツアーを実施した。都留文科大と連携して、授業の一環として初めて取り組んだ。法人メンバーが講師を務め、上吉田地区の御師や麓からの吉田口登山道を案内。参加した学生らは「イメージと違う富士山の姿を学べた」と話していた。
法人が、吉田の火祭りで同大生らと共に、御師住宅の前の細道にろうそくをともす活動をしている縁で、大学側の担当教員である教養学部の山越英嗣准教授に話を持ちかけ、実現した。フィールドワークを中心に、単位換算される授業として開講。比較文化学科の1年生4人が受講した。
ツアーは4~6日の2泊3日で実施。法人理事で、今年市内に富士講を復活させた勝俣俊二さん(41)が、「登拝を知ってもらう」をテーマに主に講師を務めた。
都留文大生4人は4日、今も富士講の宿坊である現役の御師を訪問。「四つ足の動物は避ける」などの特徴がある御師の料理を味わったり、信者らが拝みを行う「御神前」を見学したりした。この日は早稲田大生7人もツアーの一部に参加し、上吉田地区を歩いた。
都留文大生4人は、富士講信者が登拝前に身を清める巡礼の場所だった「吉田胎内樹型」も初日に来訪。2日目で麓の馬返しから5合目まで登り、山小屋で1泊。最終日に6合目から御来光を眺めた後、下山した。
(2025年8月8日付 山梨日日新聞掲載)
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