ヒメマス保全へ大型外来魚釣り 本栖湖で初の大会 駆除協力金、料理販売も

レイクトラウトを釣り上げ喜ぶ参加者=本栖湖
富士五湖の一つ本栖湖で、ヒメマスへの食害が指摘される大型外来魚「レイクトラウト」を駆除し、ヒメマス釣りの復活と存続を目指そうと、同湖で5日、釣り大会が開かれた。富士河口湖、身延の両町と本栖湖漁協が初めて企画し、約180人が参加。計19匹を釣り上げ、1匹に対し駆除協力金として千円が贈られた。地元のシェフが作ったレイクトラウト料理の販売もあった。参加した釣り愛好家や主催者は「生態環境への影響が広がらないよう、大会を機にレイクトラウトが減少してほしい」と願っていた。
レイクトラウトは2022年に本栖湖で確認され、寿命が長く、大型化に伴い魚食性が強くなることが特徴。県水産技術センターは、レイクトラウトの胃にヒメマスが確認されたことから、捕食によりヒメマスが減少している可能性を指摘している。
本栖湖漁協によると、24年に釣り人から持ち込まれたレイクトラウトは約60匹だったが、今年はすでに70匹に上る。ヒメマス釣り解禁前に漁協で行う試し釣りで釣れるヒメマスは、1人10匹にも満たず減少傾向。遊漁券の販売も落ち込むなど影響が出ている。
大会は2部門で岸釣りに135人、湖上釣りに45人が参加。岸やボートなどから釣り糸を垂らし、竿を上下に動かしながらルアーでレイクトラウトを誘っていた。
レイクトラウトを使った料理は、メイン会場で販売。富士河口湖町の料理人4人が大会のために考案した。揚げ物やフィッシュバーガー、ラザニアなどが並び、参加者らが味わった。
大会の1位は岸釣り部門が3匹、湖上釣り部門が4匹をそれぞれ釣った。各部門1~3位にはトロフィーや賞金が贈られた。
(2025年10月6日付 山梨日日新聞掲載)