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「世界遺産」へ機運盛り上げ

県民会議立ち上げ/多彩な催し

 山梨県にとって初の「富士山の日」となる2月23日、県内ではさまざまな関連イベントが繰り広げられる。同日、富士吉田市内で行われる富士山の日制定記念式典では、富士山の世界文化遺産登録を目指す山梨、静岡両県で「富士山世界文化遺産両県県民会議」を立ち上げ、官民協働による国民運動を本格的にスタートさせる。このほか、県内各地で富士山の写真展や講演会などのイベントが開かれ、入場を無料とする施設があるなど、富士山の世界遺産登録に向けた機運を盛り上げる。

富士山

2月23日は山梨県にとって初の「富士山の日」。同日に合わせてさまざまなイベントが行われる(山日YBSヘリ「ニュースカイ」=NEWSKY=から)

 県は昨年の11月定例県議会で、語呂合わせから2月23日を富士山の日とする条例を制定。条例では、制定の目的について「富士山に対する理解と関心を深め、豊かな自然や美しい景観などを後世に引き継ぐため」と規定している。静岡県も同じ日を富士山の日に設定している。

 関連イベントのうち県関係のメーンは、富士山の日制定記念式典。この中で、来年の登録実現を目指し、山梨、静岡両県による富士山世界文化遺産両県県民会議の発足式や、宗教学者山折哲雄氏による「世界の中の富士山信仰」と題した講演会、国内外から集めた富士山俳句の発表会、国民文化祭PRアーティストボランティアによるアトラクションを予定している。

 両県県民会議は、昨年2月23日に設立した「美しい富士山を未来へつなぐ会」を拡大・改編。新たに両県の行政や民間企業、団体などが参加する連携組織として立ち上げる。

 記念式典は午後1時半から、富士吉田・ハイランドリゾートホテル&スパで行う。式典の詳細は山梨県のホームページ(HP)で公開している。

 市町村関係では、富士吉田市や富士河口湖町などで企画。富士山を題材とした写真展や富士山の景色を楽しむイベントなどが開かれる。官民施設のサービスは利用料の無料化が中心だが、富士山の標高にちなみ3776円以上買い物した人にカステラをプレゼントするなどの特典を設ける施設もある。静岡県も関連イベントを行うという。

 富士山の世界文化遺産登録をめぐっては、政府が1月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書の正式版を提出。今後はユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が現地調査などを行い、来年5月ごろに登録するかどうかを、ユネスコに勧告する見通しとなっている。

(2012年2月18日付 山梨日日新聞掲載)
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