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2022.4.29 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 4月 /

休日続きに入麓者殺到

遊覧インフレの波

 28、29日の日曜、祭日続きに富士遊覧行きの人々は、京浜、茨城、埼玉、群馬県などから遊覧バスまたは小型自動車で押し寄せた。自動車数は28日のみで350台を超え、そのほか富士山麓電鉄の紹介で27日から中部旅行協会の150名、その他18団体5000余名が河口湖畔船津村の各旅館に休泊し、遠く精進、山中などに分宿してなお泊まり切れず、吉田方面まで散宿するという。

 にぎわいを呈した。このほか三ツ峠、十二ケ岳、三国山、石割山などへのハイキングの人々に、地元からの家族づれのピクニック連を加えると、およそ7500名が岳麓の各湖畔に春を楽しんだわけである。久しい冬眠から切って落とされた遊覧シーズンの幕は新緑期の5月の月末まで旅館の宿泊予約一杯という豪勢さで、各湖畔接客業者は遊覧インフレの波にてんてこ舞いしている。 【当時の紙面から】

(1935年4月29日付 山梨日日新聞掲載)
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