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2021.9.27 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 9月 /

六角堂建設に着手

「川窪寺屋敷」保存へ 河口湖町

 河口湖教委などは26日、町史跡に指定している河口湖沖合の通称「川窪寺屋敷」保存に向けて、六角堂の建設工事に着手した。本年度中に土台の基礎工事を行い、来年度中に建物の完成を目指す。

 建設地である寺屋敷は南岸の八木崎公園の沖合約70メートルのところにある小島(約2.2アール)の通称。同日は基礎工事に必要な重機や石などを水上輸送するため、陸上自衛隊北富士駐屯地第351施設中隊の隊員22人が協力し、準備作業をした。長さ約10メートルのゴムボート3そうを並べて、その上に鉄板を置いて輸送船を作った。両脇にモーターボートを取り付け、移動する仕組み。

 しかし、試験運転で寺屋敷周辺の浅瀬にモーターのスクリューがついてしまうことが分かった。このためスクリューを変えて27日以降、重さ19トンのユンボーや足場を作るための土袋、基礎工事に必要な石を建設地まで運ぶなど本格的な作業に取り組む。一日約60人の隊員が協力し、約1月かかる予定。

 六角堂は同所が町の史跡であることを示すための建築物として、景観の面から建設が適切と町教委が判断した。建物は高さ6.6メートル、床面積約40平方メートル。1990年に町史跡に指定されたのをきっかけに寺屋敷を後世に残すために建設物や説明版の設置を求める声が地元から上がった。町教委は河口湖新放水路が昨年完成し、湖の水位が安定、水没の心配がなくなったため保存に乗り出した。 【当時の紙面から】

(1994年9月27日付 山梨日日新聞掲載)
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