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2020.11.24 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 文化・芸術 /

山岳科学の教科書刊行

 2020年9月に出版された、複数の学問分野から山を研究する山岳科学の入門書「山岳科学」(古今書院)。山梨、筑波、信州、静岡の4大学の教員らが中心となって執筆し、山梨大大学院の松本潔准教授(地球化学)が編集を担当。国内初の山岳科学の教科書という。

 松本准教授によると、山は地球科学や生物学、経済学、歴史学などの研究対象となっている。一方、複数の学問にまたがる形で山を研究する「山岳科学」は国内では浸透していない。山梨や筑波などの4大学は山岳の専門家育成を目的に2018年から修士課程で「山岳科学特別教育プログラム」に取り組んでいて、プログラムがきっかけとなり本の出版が決定。

 本は基礎編と応用編に分かれ、16章で構成。基礎編では山の気象や気候、山岳が形成される過程などについて写真や地図を交えながら解説。応用編では登山や山岳をレクリエーションの対象とする「山岳ツーリズム」、山岳での災害がどのように発生するかなどを紹介。このほか、「日本アルプスの高山に進出するニホンジカ」「富士北麓、精進湖と本栖湖における『フジマリモ』発見」などのコラムもある。

 山梨大からは7人が執筆に参加し、水質や大気汚染、生物多様性などの分野を担当。

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