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2020.8.11 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 自然 /

山頂公園は「恋人の聖地」

 南アルプスの最北端、鋸山で生まれた釜無川は、甲府盆地を流れ下り富士川と名前と変えて駿河湾に至る。全長122.4キロ、山梨随一の大河。下流のゆったりとした流れは、静岡県境までくると立ちはだかる独立峰に行く手を阻まれる。白鳥山(南部町・標高568メートル・山梨百名山)だ。

 標高は百名山の中で一番低い。しかし高く見える。国道52号標高が100メートル、富士川が70メートルぐらいだから、山頂までの標高差は500メートル近くもある。山体も四方に根を張って大きい。頂上は三角にとがり、全体の姿も平凡ではない。

 頂上付近一帯は森林公園として整備され、遊歩道や展望台、あずまやがある。駿河湾から富士山西面、御坂、天子山塊、北に延びる富士川、南アルプスと前衛の山々が一望できる。

白鳥山 森林公園の林に囲まれた石段の遊歩道を歩くこと10~15分。白鳥山山頂にたどり着くと、1基のモニュメントが目に入る。国内最高峰の富士山がハート形の穴にすっぽり収まり、モニュメントに描かれた絵のように見える。

 白鳥山を含む森林公園は2007年、雄大な富士山が楽しめる場所として、NPO法人「地域活性化支援センター」(静岡県)から「恋人の聖地」に認定された。記念として南部町商工会などは翌年、モニュメントを設置した。

 デザインは町内の石材会社が担当。「富士山が望める眺望を生かしたい」と、ハート形の穴に霊峰が収まるよう計算して考案した。

 ハート形の穴の両側にカップルで立つと、富士山を挟んで写真撮影ができるため、知る人ぞ知るスポットとして観光客が訪れている。

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